5月に施行された自動車運転死傷行為処罰法は交通事故で人を死傷させた場合の厳罰化が意図されています。従来までは交通事故を起こし、他人を死傷させてしまった場合でも最高で懲役20年の危険運転致死傷罪、もしくは最高刑が懲役7年の自動車運転過失致死傷罪が適用されてきましたが、近年の飲酒運転や薬物吸引後の運転による事故により厳罰化を求める声が高まり制定された新たな法律です。
▼てんかん発作が原因で事故を起こした被告、危険運転罪で実刑判決
今年6月、北海道札幌市内でワゴン車を無免許で運転中にてんかん発作を起因とした衝突事故を起こしたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反の罪に問われていた27歳の男に対する判決公判が2日、札幌地裁で開かれた。裁判所は懲役1年10か月の実刑を命じた。
問題の事故は2014年6月7日の午前4時5分ごろ発生している。札幌市の道道(片側2車線の直線区間)を走行中のワゴン車が斜行するようにして対向車線側へ逸脱。対向車線を順走してきた乗用車と正面衝突。さらに道路右側の電柱に衝突した。この事故で対向車を運転していた79歳の男性が腰骨を折る重傷を負った。
ワゴン車を運転していた男はてんかん発作を起こしており、事故直後は意識が無い状態だった。男は聴取に対して「てんかん症状があるため、免許は取れないと思っていた」などと供述。運転免許は一度も取得したことがなく、2009年にも無免許でひき逃げ事件を起こしていたことも後に判明。検察は自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許危険運転致傷)の罪で起訴していた。
2日に開かれた判決公判で、札幌地裁の金子大作裁判官は被告がてんかん発作の症状があることを自覚していたことについて触れ、「意識を失う持病を有する状態での運転は危険性が高い。また一度も免許を取得しておらず、運転についての技能や知識が不足していることも認識しながら運転していたことは強く非難される」とした。
また、被告が日常的に無免許運転を繰り返していたことには「常習性がある」と指摘。被告に対して懲役1年10か月の実刑判決を言い渡している。
てんかん発作など特定の病気が原因で事故を起こした場合、今年5月の法改正で危険運転罪の適用が行えるようになったが、判決が出たのは今回が初となる。
引用:
response.jp 2014年09月05日(金)